かつて家を買う、家を持つのは、子育てを考えた夫婦のテーマでした。
もちろん今でも多くの方はそうですが。
賃貸から念願のマイホームへ。
自分と家族が描く生活の理想を「マイホーム」に求めたわけです。
買うor借りる?
家族というカタチそのものが多様化した今、
60歳を過ぎて、新しい住まいを考える人が増えています。
独身の方で、老後のために住まいを探す方もいます。

今は、家族のためにではなく自分の将来のために、
新しい家を考える時代になってきたように思います。

退職してから新しい家を見つける。
独身のままで将来を考えて家を買う。
こんな時「買う」のがいいのか、「借りる」のがいいのかと、よく議論されます。

FP(ファイナンシャルプランナー)は、どちらが得か?と数字を並べます。
買って「安心して一生住み続けたい」と考える人には、

「病気になったとき、ローンの返済はどうします」

「賃貸のようにすぐ引っ越すというわけにはいきませんよ」

と、リスクを並べますが、リスクゼロなんてあるんでしょか。

金利水準がこれ以上下がらないほど低い今、
月々の住宅ローンの返済は、家賃水準を下回ることもあります。

しかし持ち家は、固定資産税をはじめマンションでは
管理費、修繕積立金等の支払いも発生します。
家を買うということは、そもそも損得勘定になじまない議論だと考えます。

住むということは、その土地に根を張る、周りのコミュニティーに参加する、ということ。
買えば、おのずとその地に根を張ることになります。

その土地、その街ならではの暮らしがそこにあるわけで、
そこに価値を見いだせるかということだと思うのです。

気に入った土地で、気に入った建物でくらす。
土地や家は生活の装置です。

買う=住み続けること。この覚悟が、経済性を超えた価値を、
人生にもたらせてくれる、と考えるのですが、いかがでしょうか。