負動産といわれ、無価値あるいは担保評価未満の流通評価しかない不動産があります。
これらは色々な理由で処分せざるを得なくなった場合、困難を伴います。

で、こういった資産価値のない不動産は、ほんとうに「負け」なのか。

ちょっと考えてみました。

戦後、住宅不足の時代を経て、土地という資産は大変価値のあるものでした。

平成バブル期には、高騰し続けるモノとして、その含み資産だけでは、多くの価値を生み出しました。

土地・不動産の価値は、お金で計るものだったわけです。

しかし実際は、住宅としての利用価値を考えた場合、

資産価値は、お金を借りるあるいは売却するといった場合を除けば、実感することはありません。

実需として、住宅として日々利用している中で、価値を感じることはできるか?

できますよね。

この家だからこの土地だからこそ、こんな生活ができた。友達も知り合いもできた。

それって不動産がもたらせてくれた価値です。

でもそれは、例えば、大豪邸だから、タワマンの最上階だから、

といった、画一的なモノサシだけでないはず。

世の中にひとつとして同じものはない不動産は、

そこでしかない実現できない生活の基盤です。

生活価値とでもいうべき価値が不動産を測る物差しであってもいい、と。